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おにどこデータソンが開催されました(2019年12月14日)

2019年12月14日(土)にCode for MIKAWA主催で「おにどこデータソン」が開催されました。

おにどこデータソンとは

データソンとは、WikipediaやOpenStreetMapなどといったオープンデータを作成、編集するイベントです。
オープンデータとは、だれもが制限なく利用できるデータのことを言います。
中でもWikipedia(インターネット上の百科事典)やOpenStreetMap(だれでも自由に使える地図)などは、だれもが利用できるだけでなく、新しく書き加えたり編集したりすることもできるという特徴があります。多くの人が編集に参加することで、より多くの人が豊かなデータを活用できるようになります。

今回のおにどこデータソンでは、愛知県豊橋市で毎年2月に行われる祭り「豊橋鬼祭」にゆかりのある地域のデータが作成・編集されました。
豊橋鬼祭は豊橋市の安久美神戸神明社の例祭で、およそ1000年にも及ぶ歴史を持ちます。祭りのメインイベントである「赤鬼と天狗のからかい」では、神明社で赤鬼と天狗の戦いの様子が演じられます。戦いの後、赤鬼と天狗はその神明社の周りの町を何時間もかけて走り回ります。このとき、赤鬼は走り回りながら白い粉とタンキリ飴をまきます。この粉を浴び、タンキリ飴を食べると厄除けになると言われています。
この鬼祭で走り回る赤鬼と天狗の位置が分かる、「おにどこ」というアプリが開発されています。

おにどこデータソンの成果は、この「おにどこ」のアプリ内で活用されました。
アプリ内の地図がOpenStreetMapをベースにした見やすくて地域のデータが充実したものとなり、さらにアプリ内にWikipediaの関連する記事へのリンクを貼り、アプリを使った人が地域のことをより詳しく知ることができるようになりました。

おにどこデータソンは安久美神戸神明社の儀式殿の一室で、朝の10時から行われました。

講義

最初にCode for MIKAWAの木村さんより開催のあいさつや、その日の流れの説明が行われました。

次に安久美神戸神明社の宮司である平石さんより、神社と鬼祭の歴史について説明が行われました。

つづいて是住久美子さんよりWikipediaの編集に関して説明が行われました。

Wikipediaを編集するイベント「ウィキペディアタウン」についての話や編集にあたって注意が必要な著作権についての話など、詳しく説明が行われました。

つづいて坂ノ下勝幸さんからOpenStreetMapについての説明が行われました。多くの人が地図作りに関わることの意義についての、わかりやすい解説でした。

最後におにどこのアプリ開発を行っている山下さんより、おにどこについての説明が行われました。

その後、昼食をとりながらチームビルディングを行い、Wikipedia編集チームとOpenStreetMap編集チームに分かれました。

フィールドワーク

午後からは、神社や鬼祭にゆかりのある所を実際に歩いて見て回るフィールドワークです。

安久美神戸神明社の平石さんや、豊橋市美術博物館の増山様からその地の歴史について説明してもらいながら、いつもと違った視点で町を見て回ります。
OpenStreetMap編集チームは後で地図に描きこむために、どこに何があるかしっかりメモや写真をとります。

編集の様子
安久美神戸神明社に戻ってきて、取材した内容をWikipediaとOpenStreetMapにまとめていきます。

一通り編集が終わったら、成果発表です。

Wikipediaの成果

Wikipediaの成果としては、「豊橋鬼祭」の記事を新規作成、「安久美神戸神明社」の記事への加筆を行いました。

  • 「豊橋鬼祭」の記事を新規作成 wikipedia豊橋鬼祭
  • 「安久美神戸神明社」の記事に加筆 wikipedia安久美神戸神明社

どちらの記事も非常に充実したものになりました。

なんと、このイベントで作成された「豊橋鬼祭」の記事はWikipediaの2019年12月の月間新記事賞にエントリーされ、さらには良質な記事として認定された模様です!

OpenStreetMapの成果

OpenStreetMapの成果としては、安久美神戸神明社、豊橋公園、素戔嗚神社、談合神社の地図を編集しました。
また大石灯篭、秋葉神社、八幡宮跡地の周辺の地図を編集しました。

イベント前とイベント後でOpenStreetMapに登録された地物のデータを可視化したものが以下の図です。

また、以下のリンクからもご確認頂けます。
https://overpass-turbo.eu/s/Q1m

灯篭や石碑、遊具などが追加され、細かな地物についての情報が大幅に増加していることが分かります。
GoogleMapなどにはない、地域に関する豊富な情報を備えた地図になっています。

終わりに

今回の「おにどこデータソン」では、「豊橋鬼祭」に関して聞いたり調べたものをもとに、 インターネット百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」や誰でも自由に使える地図「OpenStreetMap(オープンストリートマップ)」の編集をおこない、まちの魅力をオープンデータとして世界へと発信しました。
その成果が認められ、このイベントで作成された「豊橋鬼祭」の記事はWikipediaの2019年12月の月間新記事賞にエントリーされ、さらには良質な記事として認定された模様です!
そして、このイベントの成果である百科事典(Wikipedia)、地図(OpenStreetMap)のオープンデータは、「おにどこ」アプリでも活用されました!

オープンデータを作成・編集するイベントは各地で開催されていますが、「おにどこ」のように実際にアプリで活用されている事例はあまりありません。
さらに「おにどこ」は利用者の方に高評価を頂いており、社会実装へとつながっている素晴らしい事例といえます。
今後もこのようなイベントを通して、豊橋市のオープンデータの充実、活用につながっていくことに期待しています。