Loading

田原市図書館デジタルアーカイブのオープンデータとしての公開

田原市図書館は、様々な団体等との協働により田原に関する歴史・文化資源のデジタルアーカイブ化を進めています。また、それらを可能な限り、誰でも許諾なしに利用ができるオープンデータとして公開することを目標に取り組んでいます。

今回は、終戦前日に起きた渥美線機銃掃射事件を伝える紙芝居「前日物語」のデジタルアーカイブのデータと東愛知新聞の見出しデータの二つのオープンデータについてご紹介します。

渥美線機銃掃射事件を伝える紙芝居「前日物語」

渥美線電車機銃掃射事件は、終戦前日に田原市内を走る電車が米軍機の機銃掃射を受け、旧制中学生の乗客ら31人が死傷した事件です。事件の風化を危惧した山田政俊さん達が体験者への聞き取り調査を実施し、聞き取った内容を冊子にまとめて発行していました。その後、山田さんは聞き取り調査の内容を元に、機銃掃射事件の体験者である彦坂昭市さんとともに紙芝居「前日物語」を作成しました。

山田さんから「彦坂さんも高齢であり、いつまでこの活動を続けることができるか分からない。自作の紙芝居も文章が長く、難しいところがあるので、子どもでも演じられるように編集し直して、市内の各学校へ配布したい」という希望をお聞きし、彦坂さんが地域のことばで紙芝居を演じている姿そのものもデジタルアーカイブとして残していく必要があるのではないかと図書館側からも提案し、会議に参加していたNPO法人たはら広場が主体となって、市が募集していた令和元年度市民提案型委託事業に手を挙げ、図書館との協働事業として実施することになりました。

事業の内容としては、紙芝居「前日物語」を児童生徒向けに分かりやすい言葉で再編集して印刷し、市内の小中学校や高校へ配布すること、デジタルアーカイブの作成に関する市民向けの研修会を開催すること、そして彦坂さんによる紙芝居「前日物語」の実演を記録し、デジタルアーカイブとして公開することの3点です。実演動画については全国の学校等でも活用が進むよう、利用許諾不要なオープンデータとして公開することも決定しました。

まず、デジタルアーカイブ専攻のある岐阜女子大学から講師をお呼びしてデジタルアーカイブの講習会を開催し、彦坂さん達の実演を録画する作業が始まりました。次に紙芝居の講習会を実施し、ワークショップで紙芝居の裏書の再編集を行い、新たな「前日物語」の紙芝居が完成しました。田原市内の全小中高校へ紙芝居を配布したのと同時に、オープンデータ東三河サイト上で、紙芝居データや職員が読み聞かせした動画データをオープンデータとして公開しました。加えて、旧渥美町教育委員会で作成していた地域に伝わる民話紙芝居のデータや読み聞かせ動画も公開しました。GIGAスクール構想が全国で進み、1人1台パソコンやタブレット端末の導入が始まろうとしています。作成したデータが、端末を使った平和学習やふるさと教育に活用されることを期待しています。

紙芝居「前日物語」の動画は以下よりご覧頂けます。

また、紙芝居「前日物語」のオープンデータは本サイトの以下URLよりダウンロード頂けます。

東愛知新聞の見出しデータ

もう一つ、新規に公開したのが、地元紙である東愛知新聞に掲載された、田原市に関連する記事見出しのデータです。
田原市図書館では、毎朝、各紙をチェックし、田原市に関連する記事がある場合はクリッピング作業を行い、見出しデータの入力を行っています。

今回、東愛知新聞社からの許諾を得て、2001年4月1日~2020年3月28日までの記事見出し16,402件をオープンデータのデジタルアーカイブとして公開することができました。全国紙は自社記事を有料で検索できるデータベースを提供していますが、地方紙はそのようなデータベースが無いことも多く、過去記事を検索することは困難です。
しかし、地方紙は地域の身近なニュースを長年にわたり取り上げ、記事にしていて、地域のことを知るためには欠かせない有効なメディアです。このため田原市図書館では、各紙に掲載された田原市に関する記事の目次情報等を収集し、田原市図書館ホームページ上で田原市新聞記事見出しデータベースとして公開しています。
ただ、このデータベースが充分に活用されているとは言い難く、残念に感じていました。今回、オープンデータ東三河で公開されることで様々な活用に繋がればと思います。

東愛知新聞の見出しデータは本サイトの以下URLよりダウンロード頂けます。

上記2つのオープンデータについて、ぜひご活用ください!