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豊橋公園 吉田城郭 LiDARによる撮影と点群データ提供

土木業界も、近年は国土交通省が掲げるi-Construction(アイ・コンストラクション)などと呼ばれる業務のデジタル化により生産性向上が叫ばれています。

豊橋市内のトータルネットワークサービスグループの代表橋本様は、20年間測量事業を営んでおられるプロフェッショナルです。

同社では、ドローンや地上型レーザースキャナーLiDAR(「Light Detection And Ranging」の略レーザー光を用いて、対象物までの距離や形状を計測する手法)などの新たな測量機器や技術を積極的に取り入れるなかで、新たなテクノロジーによってもたらされた点群データを土木分野のみならず、まちづくりに活かせるのではないかと、自社で中心市街地景観などを撮影するなどし、地元企業や市民団体にデモンストレーションして、活用の道を模索されておりました。

そんな中、静岡県の点群データVIRTUALSHIZUOKAでご活躍されている静岡県庁の杉本様を通じて、シビックテック(Code for MIKAWA)に参画「地域データとして誰でも使えるよう公開することにより、利用する側の自由な発想で活用機会を創出することが地域の活性化へとつながる」という「オープンデータ」のアイディアにご賛同いただき、手始めに豊橋市を象徴する遺構である豊橋公園の吉田城郭を撮影オープンデータとして制作し公開することになりました。

撮影に際しては、特定非営利活動法人 吉田城復元築城をめざす会とも意見交換を行い、豊橋市役所への撮影許可や協力などを得て、2023年1月から撮影を開始。当時、豊橋公園では石垣の補修候補を行っていたこと、また、石垣の下からの立ち上がり角度が鋭く拡散したレーザー光が、石垣や鉄櫓(くろがねやぐら)の屋根まで、十分に達することができず、観測データにムラが出てしまうといった問題に直面しました。

その後、ドローンなどによる撮影も検討したものの許可等の関係で使用が困難であったため、2023年6月、前回の反省を踏まえて豊川の対岸から再び撮影、吉田城郭を見事に捉えることに成功しました。

撮影した点群データの密度調整を行ったり、木に覆われて堀の構造物が捉えづらいことから、それらのデータを間引いたり使いやすいように加工頂き、一般的なLIDARデータ収容となるLAS形式で格納しオープンデータ東三河に掲載いただくことになりました。

今回撮影とデータ提供を頂いた橋本様らは、今後、こうしたデータを地域の方々にお役立ていただきたい、特にデジタルデータに興味のある学生らに活用いただきたいと抱負を語っておられました。

こうしたオープンデータが地域社会における教育や観光振興、さらには遺産保護に寄与することが期待されています。

興味のある方はぜひデータをご覧いただければと思います。
吉田城鉄櫓点群データ