即席アプリメーカー「どすごいマップ」の開発において、本サイトのオープンデータが利用されました。

どすごいマップは、飲食店やAEDなどの位置情報を瞬時にスマホで使えるマップアプリが作れるオンラインサービスです。スマートフォンの普及やオープンデータの拡充などを背景に、位置情報の一般公開を気軽に行えるアプリ需要に応えるものとして、株式会社マップクエスト（愛知県豊橋市）によって開発されました。
（2021年4月現在、β版として提供中）

システム開発の現場において、取り扱うデータは実際に使用されるものを早い段階から用いることが生産性の向上や開発品質の向上の観点において重要とされてるが、データの準備にも相応のコストが必要となるため、「サンプルデータだから…」と実際のものとはかけ離れたデータが用意されていることが開発現場では多くみかけるそうです。

一方で、機能が論理的に正常かどうかを確かめる作業において、架空のデータだから問題ということも無いそうです。問題は、用意されるデータの量や組み合わせが乏しいことによって不具合が炙り出されず残ってしまうことで、自作のサンプルデータでその傾向が顕著であることが問題の本質だそうです。架空のデータでも豊富な量や組み合わせで用意することができれば、サンプルデータでも致命的な問題にはならないとフォローがありました。

とはいえ実際に使用されるデータを多く用意することは、言葉で言うほど簡単な作業ではありません。どすごいマップの開発では、開発初期の段階からオープンデータ東三河のデータが使用されてきたといいます。これによりシステムが作り出したアプリが実際に使えるものかを吟味しやすくなり、仕様的な不備の早期発見や、コンセプトの実証が早い段階で確認することができたとのことでした。

どすごいマップは、データの管理環境に合わせて２種類のバージョンが提供されています。１つはGoogleが提供する「スプレッドシート版」、もう一つはサイボウズ社が提供する「kintone版」です。これらの開発においてオープンデータ東三河のデータは使用され、これまでに500回以上アプリが作成されたといいます。

■使用されたオープンデータの例（一部）
・食べてみりんプロジェクト
・とよはし市民救命の駅登録事業所
・赤ちゃんの駅べびほっ
・豊橋市 避難所
・豊橋市 文化施設
※その他地域のオープンデータも使用

■オープンデータの課題
本事例ではオープンデータへの課題も指摘されています。データ構造に不備があって修正を要するケースや、データが更新されずに放置されてしまい、鮮度を失ってしまっているケースだそうです。前者は、システム開発に詳しくない人の手によって作成されることが多いことや、人が読解しやすい様式の書類などが原本となっていることなどを背景に、システム（機械）から利用するには問題となるデータが混ざりやすいことが課題と言えます。後者はオープンデータの有用性が担当者によって理解されずに更新業務が引き継がれずに潰えてしまうことだと思われます。本事例を参考に利用される場合は、これらのことを念頭に利用されることをお勧めします。

■株式会社マップクエストから一言
マップクエストでは、地図や位置情報を利用した業務システムやアプリケーションなどの開発を承っています。

オープンデータはそれ単体の価値は決して高いものではありません。しかし近年注目されているDXによる地域課題の解決や経済の活性化の実現には欠かせない要素の一つです。（DX：デジタルトランスフォーメーション）
今回開発した「どすごいマップ」もそれ単体では、事業を支えるほどの価値は見込めておりません。しかし、オープンデータ推進の意義を感じていただき、充実させる動きの一助になればと考えております。

そして本取り組みをきっかけに、より本格的なアプリ開発への発展や、OEM開発などに繋がれば幸いです。

私たちは、地理情報システム(GIS)に特化したシステム開発会社です。1992年創業からGISに特化し、それぞれの業界に特化したGIS技術の研究開発を得意としております。し尿収集、ドローンナビ、移動体管理(IoT)、獣害対策などさまざまな分野のGIS開発を経験しておりますので、アイデアをお持ちの方はお気軽にご相談ください。すぐの開発とならなくても結構です。具体的なシステムをイメージするお手伝いも承っております。

■どすごいマップについて
飲食店やAEDなどの位置情報を瞬時にスマホで使えるマップアプリにできる豊橋産まれの即席アプリメーカーです。スプレッドシートやkintoneにデータをまとめたら、あとは「どすごいマップ」でアプリにするだけ。プログラム開発は必要ありません。数分でアプリにして一般に公開することができます。

公式サイト：https://www.dsmap.net/
デモ動画：https://youtu.be/tCFy0eRWUmY
作成例１：豊橋飲食店マップ
作成例２：とよはしAEDマップ

Open Data HIGASHI-MIKAWAでは、いろいろなデータが掲載されていますので、ぜひ皆様もオープンデータを活用してみてください。